これまでは介護職員等特定処遇改善加算に関し、制度の概要やその基本的な考え方について解説してきました。
今回からは、それらを前提に更に検討すべき事項について解説していきたいと思います。
まず検討していかなければならないのは「経験・技能のある介護職員」の扱いについてです。
「経験・技能」の定義については、ある程度法人の中で任意に決めることが可能となっていますが、
それが難しい要素がひとつあります。それは「介護福祉士」の資格を有しているということです。
介護事業所のコンサルティングをおこなっている中で、資格は持っていないけれども、
前向きに、積極的に仕事に取組み、現場でも高い信頼を得ている介護職員の方は少なからずいます。
しかし今回の特定処遇改善加算では「介護福祉士」が要件となるので、そういった無資格の方は
どう頑張っても「その他の介護職員」としての扱いをしなければならなくなります。
もちろん「介護福祉士」の資格を取得するよう促すきっかけとはなりますが、その一点をもって
「経験・技能のある介護職員」と同等かそれ以上の働き方をしている職員が評価されないという形は避けたいところです。
そのためにはどうすれば良いでしょうか。
これは前回お伝えした「『経験・技能のある介護職員』の最大数を制限することの応用になります。
具体的には「その他の介護職員」の中に「経験・技能のある介護職員」と同等で「介護福祉士」を持たないカテゴリーを設定し、
そのカテゴリの人数と「経験・技能のある介護職員」の合計を一定にします。
こうすることで、配分額が支給額を超えることなく、資格の無い、しかし活躍している職員に
充分な手当を配分することが可能になります。
ただ、こうする場合、資格を持っていない活躍している職員の数が増えるほど
「その他の介護職員」への平均分配額が上昇するので、「2:1:0.5」の配分比率が崩れてしまう可能性もあります。
入念にシミュレーションをおこない、後から慌てないような制度設計をおこなうことが重要です。
※記事一覧はこちらからご覧ください⇒「特定処遇改善加算に関する解説 」
※「特定処遇改善加算に関するオンライン無料相談会」を実施します
メルマガ登録をすると最新のコラム掲載情報が受け取れます!