自立支援体制構築に必要な要素として、前回のコラムで、測定の重要性を取り上げました。
今回はその測定結果を利用しながらPDCAを回してく方法について解説します。
測定結果の利用の仕方は大きく2種類あります。
・ご利用者様個人の測定結果を確認する
・事業所全体での測定結果を確認する
前者は、ご利用者様お一人おひとりの状態やその変化の確認をおこなうために活用します。
ご利用者や関係者間での情報共有を、データでの報告という形でおこないます。
こうすることで、ご利用者様やご家族の意向を確認するとともに、各職種のよる専門的なフィードバックを得て、それを実行に移していきます。
後者は、事業所全体のご利用者様の経過をまとめることで、事業所のおこなっているサービスそのものに着目します。
この測定結果をもとに進めていきたいのはサービス内容の再構築です。
自分たちの目指す介護をおこなっていく上で、きちんと出したい成果を出せているか、出せていないとしたら何が原因なのかを、全体的な推移から解き明かしていきます。
例えば、デイサービスで導入された「ADL維持等加算」に関して、バーセルインデックスを使用して出た値だけを追って、これが低下した理由を考えてもなかなかわかりませんが、同時に様々な測定をしていれば何が原因でADLのレベルが下がったのかがわかります。
具体的にあった事例としては、認知機能の計測を同時におこなっていたところ、身体能力の極端な低下は見られないが認知機能が低下していた人の割合が一定数あったため、バーセルインデックスも低下していたということがわかったことがあります。
結果、今後は認知機能の維持・改善を目的としたメニューも増やそうという、改善をおこなうことができました。
ご利用者の状態に合わせて、サービス内容をアップデートしていく必要があります。
その際に定期測定している項目が役に立ってくるでしょう。
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