今回と次回の2回に分けて自立支援体制の構築に必要な要素を確認しながら、デイサービスの運営で重要な考え方について解説していきたいと思います。
それを一言でいうと、PDCAを回せる体制を整えるということになります。
介護度の維持・改善を通じて自立支援を目指す事業所でいうと、以下の様な要素が必要になります。
・定期測定をしているか
・その指標は対象者の機能訓練などの成果を見るのに適しているか
・成果が出た(出なかった)理由を確認し、周知しているか
・成果が出た(出なかった)方法をアップデートしているか
今回の例でいえば、対象者が維持・改善できているかどうかは測定しなければわかりません。
しっかりとした検証をおこなうためには、成果を確認する上で定期測定は必須です。
また、定期測定を実施している場合はその測定項目の確認が必要です。
事業所で目指す方向性に合致した測定項目を選択することが重要になります。
例えば、介護度の維持・改善の場合、バーセルインデックスやFIMなどがこれに当たります。
介護度とADLを結びつける指標になり、特に課題となる生活動作について確認し、それに対する介入を検討する材料となります。
また、栄養状態を測る指標として最もおすすめしているのが、MNA-SFという指標です。
これは血液データなどを使用せずに、介護サービスでも栄養状態が客観的にわかる指標です。
重要なのはこれらの指標を使用することで「低栄養のリスクがある⇒栄養改善のプランを検討する必要がある」という、より専門的な情報を伝えることができるようになることです。
それらを共有し、対策を立てることでより良い介護をおこなうとともに、組織としての経験値を蓄積していくことになります。
このような指標を栄養状態の他に、認知機能や運動機能、口腔機能など様々な測定をすることでより専門的なフィードバックを行えるようになります。
例えば認知症の方の受け入れを積極的におこなっているデイサービスなら認知機能の評価をおこなうことも考えられます。
また、活動と参加に力点を置く事業所なら、利用者のプログラムごとの参加数なども把握し、より自主的な活動を促せるようPDCAを回していくことが重要になります。
介護度の維持・改善を例に挙げましたが、重要なのは事業所の機能に合わせた指標をきちんと計測しながら、介入と観察を繰り返し、自事業所のケアの質をより高めていくことにあるといえるでしょう。
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