これまでオリジナルの人事評価制度を構築する手順を学んできましたが、今回はその具体的な運用方法について解説します。
まず繰り返しになりますが、人事評価程度の目的は「人の価値を決めること」ではなく「人を育てること」です。
評価して終わりではなく、より良い方向への変化を生み出す仕組みを作らなければなりません。
その時に重要となるのは「意識付け」と「フォロー」です。
まず、評価制度の運用を開始する際、事前に全体像を説明しておくことが重要です。
また、運用開始後に入職された方にも、きちんと説明をしておきましょう。
説明後、6ヶ月を1単位に年2期で実施する法人様が多いですが、その定められた期間の行動や姿勢を期間終了後に評価という流れになります。
この評価期間中に重要なのは、評価基準をもとにきちんと評価者から指導をおこなうことです。
指導がない状態で評価を下したとしても「なぜ、そのとき何も言ってくれなかった」という反発を生みますし、何より成長につながりません。
継続的な指導をおこなうことで、意識も芽生えてくることになります。
期間終了後の評価は、自己評価をおこなったのち、評価者による評価、責任者による承認という流れになります。
責任者の承認が完了すれば、最も重要な評価面談に移ります。
ここでは評価者と対象者が面談し、特に評価が分かれた部分、自己評価より評価が良かった面、悪かった面両方をあげ、それぞれ今後具体的にどう改善していくかを相談します。
この評価面談は指導が目的ではなく、あくまでも本人と評価者の目線をあわせるためにおこないます。
面談の趣旨説明でも、そのことを伝えましょう。
マイナスポイントはクッション言葉を置きながら、改善点を具体的に示します。
評価面談の質を均質にするために、面談の流れを確認しながら必要事項を記入できる面談シートなどを準備すると良いでしょう。
これらの面談まで完了した段階で、当期の人事評価は完了し、その結果を賞与や昇給等に反映させていきます。
これを繰り返すことで職員様各自のPDCAを回し、成長につなげていきます。
評価制度に関する解説は以上となります。
次回以降はもう一つの人事制度「キャリアパス制度」について解説していきます。