今回から2回にかけて、教育システムとしての人事評価制度構築のポイントをご紹介していきます。
まずはじめにお伝えしておきたいのは、こういった教育システムを導入する場合は出来合いのものではなく、是非、自前のものを構築していただきたいという点です。
前回お伝えした通り、人事評価制度はある一定期間の成果や姿勢を評価し、職員の成長につなげるものです。
それを教育システムとして機能させるには、事業所として大切としているものが何かを示し、その実現に対する努力や成果を評価することが必要になります。
事業所ごとに大切にしていることは、当然のことながら事業所ごとに異なります。
利用者の満足度を優先的に評価する事業所があれば、利用者のADLの維持・改善の取り組みを評価する事業所もあります。
そして、これらを実現していくための道筋を評価対象項目とするのですが、それはもちろん、目的としている物や実際に取り組んでいる内容で異なります。
少なくとも出来合いのものでは、その全てをフォローすることは難しいです。
たとえば、出来合いのものを下敷きにしつつも、自事業所独自の考え方、特に介護の核となる部分については、議論をしながら盛り込んでいくべきでしょう。
その際には、一部の幹部職員だけではなく、現場で活躍されている若手の職員も含めたワーキンググループを組織しておこなうことをお勧めしています。
密室で決められた制度にしない(みんなで決めた決まりにして了承を得る)こととともに、最も大きな狙いは、制度構築を通じて法人の求めるものを伝えられる職員を育てることにあります。
ひとつひとつの項目を掘り下げていく人事評価制度は「なぜ、それが評価されるのか」「法人がどういったことを目指しているか」を頂点に、現場での実践の状況とのすり合わせをおこないながら構築していきます。
現場での動きの意図を理解するとともに、改めてどのような取り組みが必要かを見直す機会にもなります。
是非、こういった場には若手を積極的に登用し、経験を積む機会にしていきたいところです。
次回は、人事評価制度の内容についてより掘り下げていきます。