4.台湾の介護施設におけるサービス
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・台北市にある高齢者向け大規模施設「双連安養中心」
・医療サービス充実・看取りまで実施
・地域に必要とされる法人へ
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前回は、台湾最大級の福祉機器展、「Sen care2017」で視察した、リハビリテーション機器についてお伝えしました。
今回は、2日目に訪れた 【台北市に隣接する新平市内、東シナ海に面した高齢者向け大規模入居施設「双連安養中心」】 における多様なサービスについてご紹介します。
双連安養中心は2000年にキリスト教系の財団法人が設立した、432名の高齢者を擁する大規模入居施設です。
自立から緩和ケア、看取りまでを総合的におこなっています。
さらに在宅系サービスも充実しており、訪問入浴サービスなどを含めたデイサービス・訪問介護も実施しています。
計約1600人の高齢者をケアしているそうです。
★医療サービス充実・看取りまで実施
一番の強みと言える取り組みは、医療サービスに力を入れ、看取りまで行える体制を整えているところです。
大型病院や地域の診療所から専門医を定期的にセンターに招き診療するとともに、看護師・管理栄養士・理学療法士・社会福祉士が入居者の健康と生活のケアをしています。
台北の大きな病院との連携も行っており、毎年研究会も行われているそうです。
★地域に必要とされる法人へ
また、施設内にとどまらず、地域においてケアや支援を必要としている高齢者の方にもサービスを提供していました。
配食事業や松年大学の取り組み(次回ご紹介します)がこれに該当し、他にも電話相談や家庭訪問、健康促進活動も行っているとのことでした。(宅配弁当は154,700名に対して、バイクで毎日配達しているそうです。)
これらの総合的なサービスの提供体制は、日本における地域包括ケアシステムを参考に構築されており、実際、施設立ち上げの際には複数回日本の介護施設へ視察に訪れたそうです。
現在は5,000名もの待機者が入居待ちをしており、意義の大きい取り組みにも成功しており、台湾における重要な成功事例の1つと見ることができました。
次回は、こちらの介護施設における、地域の高齢者に対して提供している特徴的なサービスについてご紹介します。