前回は、施設の周囲の環境についてのチェックポイントをお伝えしました。
今回は、「施設内の居住空間」をチェックしていきます。
入居希望者やそのご家族が見学時にもっとも注目をされるのは、実際に住む場所です。
居室は狭すぎるのもストレスになりますが、高齢者にとってはあまり広すぎても使い勝手がよいとは言えません。
お元気なうちは、お部屋にこもるより共有スペースでスタッフや他の入居者の方とお話しをしたり、リハビリテーションに取り組んでいただいたほうがよいですし、介護が必要になった場合でも、あまり居室が広すぎるとかえって使いにくいことがあるからです。
また、最近はパソコンを使う高齢者の方も増えてきましたので、WiFiなどのインターネット回線を整備していることが求められます。
収納スペースや備品、ナースコールの場所、さらには窓からどのくらい日光が差し込むかなど、細かい点についてもチェックし、不備があれば改善しましょう。
浴室やトイレの使いやすさも重要なポイントです。
入浴やトイレはできる限りスタッフの助けを借りず独力でしたいと考える方が多いでしょう。手すりなどの設備を整えていくことが必要です。
また、車イスでも出入りに不自由がない設計になっているでしょうか。
トイレをカーテンで仕切っているケースも古い施設などでは見受けられますが、立ち上がる際などカーテンを引っ張って転倒し、骨折するような事故も起こっていますので、改善したほうがよいでしょう。
共有スペースは、高級ホテルのロビーのように高級感を出す必要は必ずしもありません。
長時間過ごせるような心地よさがあることが大切です。
新聞や雑誌の最新号が並んでいたり、コーヒーなどが飲める設備があるのが望ましいでしょう。
そして、清潔感があるかも大切です。
特に忘れてはならないのは匂いです。
掃除が徹底されていないと匂いが残っていたりします。
ずっとそこにいると匂いは気づきにくいものですので、外部の人にチェックしてもらうなどして確認をするとよいでしょう。
==ポイント==================
□ 居室は適度な広さになっていますか?
□ 浴室やトイレは使いやすくなっていますか?
□ 共有スペースは居心地のよい空間になっていますか?
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次回は、「レクリエーション」について取り上げます。
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