==ポイント==================
・事例や情報が共有できる仕組みの整備が必要
・進出をサポートするプラットホームも求められる
・国家間での友好関係、法整備なども重要
========================
日本の介護・高齢者ケアビジネスの海外進出に関するまとめの第2回目です。
前回は、各企業に求められることをお話しましたが、今回は海外進出する企業を支援するために、業界団体、国レベルで求められる取り組みについて考えていきましょう。
業界団体としては、先行事例や各国事情の情報が事業者間で共有化できるように蓄積し、活用できる仕組みが求められます。
また、現地での商談会や交流会を設定し、日本の事業者が現地で提携できるようなビジネスパートナーを見つけられるよう支援することも重要です。
現地での展示会などに出展しても、ほとんどの場合、その後のビジネスチャンスにはつながっていません。
現地での特有の商談方法やビジネスノウハウなどのフォローをする必要性も高いと思われます。
現地で日本企業の進出をサポートするプラットホームのような組織も必要です。
たとえば、大阪商工会議所では平成25年に「日中シルバー産業連携促進プラットホーム」を設置し、日本の高齢者産業の優位性をアピールする「日本シルバー産業ダイレクトリ」を作成し、中国国内の政府関係者、団体、企業に配布しています。
国レベルでは、アジア・アセアン諸国に対して経験やノウハウを提供すべく、国家間での交流を活発にし、良好な関係を築くことでしょう。
また、日本の事業者の海外進出をバックアップするために、国内の法制度などを整備していくことも望まれます。
次回、最終回では日本の介護事業の海外進出に関して、筆者の所感をお伝えしていきます。