前回は、人材のミスマッチを無くすためには考え方と具体的な行動をあらかじめ伝える必要であることをお伝えしました。
今回は、それを実際にどの様に伝えれば良いのかについて、今回解説していきます。
重要なのは、それらを書類などで実際に見てわかる形、採用面接時に使用する説明資料や、入職時の研修テキストとしてまとめることです。
面接時説明資料では、最も基本となる考え方や介護現場で具体的にどの様なことを意識して行動して欲しいのかについて説明し「自分のしたい介護」「自分のしたい仕事」とずれがないかの確認をしてもらいます。
ここで一番基本となる考え方が合わない方は、そもそもミスマッチですから、ここで辞退をしていただくことになります。
研修時テキストでは更にそれらの理解を確認するワークや就業ルール等の詳細まで明記してわかりやすく伝えます。主な項目としては以下の様なものになります。
〇経営理念 〇私たちの目指す介護 〇3(5)つのキーワード
〇今年度の目標 〇禁止事項 〇基本ルール
〇社会人としての在り方 〇個人情報の取り扱い 〇求める人材像 等
どの項目を伝えるかは法人様それぞれですが「経営理念⇒目指す介護⇒キーワード」の流れは是非盛り込んでいただきたいです。
「経営理念」のイメージを「目指す介護」で伝え、さらに具体的な現場での取り組みを「キーワード」で表現することで、考え方と実際の行動を結び付けて考えることができるからです。
基本ルールや個人情報の取り扱いなども、盛り込むことが多いです。
最近は、基本的な基本的なビジネスマナーを伝えたいというニーズも増えてきているように感じます。
これらを作り上げていくときに忘れてはいけないのは、現場の声をしっかりと盛り込むことです。
前回も触れた通り、こちらの説明資料やテキストで学び、法人の介護や考え方について理解した新入職員が向かうのは現場となります。
そこで、テキストに書かれていた考え方や行動と、実際の現場とが全く違ったとき、新入職員はどの様に思うでしょうか。
おそらく、何も知らされない状態で現場に入ったとき以上に、がっかりしてしまうのではないでしょうか。
ですので、これらを作成する際は、現場職員も交えたワーキンググループを組織し、考え方をまとめ、文章化していく方法が良いでしょう。
この時、現場の仕事の進め方をくみ取ることも重要ですが、法人としての考え方を示した上で、現場の仕事とのすり合わせ・再検討をすることも重要です。
今回の介護報酬改定では、自立支援の強化に大きく舵が取られることとなりました。
その流れに沿った変化をするために、今後取り組んでいくべきことを説明し、現場の了承も取りながら具体的な行動方針にまで落とし込んでいきます。
この変化が、利用者と事業所双方に意義があることを経営側の人間がきちんと説明し、現場の改革を進める良い機会としたいところです。
テキスト完成後は、既存職員にも一度研修の機会を設けると良いでしょう。
今回は主に、体系の見える化の考え方・進め方について解説してきました。次回は、これらを活用し、実際に現場で活用していくための方法について解説します。