これまで12回に渡りまして、人事制度構築に関する考え方や注意点、その具体的な内容についてお伝えしてきました。
今回が最終回となりますので、私のお伝えしてきた内容について改めて総括させていただければと思います。
コラムの一番初めで、人事制度について「教育と人材定着を支える制度」と定義しました。
その上で必要なのは、まず入り口の段階で採用時のミスマッチを無くすこと、そして、人間関係を調整する優秀なミドルマネジメント層を教育するということだとご説明しました。
ミスマッチの防止には、採用活動の段階で、法人の考え方をしっかり伝えるマインドセットをおこなうこと、それを行うための仕組みとして「採用面接時に使用する説明資料」を整備する重要性についてお伝えしました。
そして、入職後に改めてそれを教えこむための「研修テキスト」を整備し、座学での研修をおこなうとともに、それをOJTで実践・指導するために効果的な「チェックリスト」についてご紹介しました。
特に「チェックリスト」の整備は教え漏れを無くせる事、モチベーションアップにつながること、複数人での指導に適していることから強くお勧めさせていただきました。
そして、是非これも実施していただきたいこととして「定期定なフォローアップ面談」をご提案しました。
面談者が変わっても安定した面談をおこなえるよう「面談シート」の書式を整える手法についてご紹介しました。
後半では、入職後の職員様を中堅、リーダーへと成長を促していくための「人事考課制度」「キャリアパス制度」の内容についてご紹介しました。
姿勢や行動、実績を評価する「人事考課制度」に対して、「キャリアパス制度」はその方のスキルを評価する点で異なり、いずれも人に値段をつけるためではなく成長を見える化するための制度であることを、しっかり職員様に伝えていただくことが必要であることをお伝えしました。
そして、これらの制度を構築する際は、現場になじんで、実際の運用に耐えうるものとするため、そして職員様の意識を統一するため、ワーキンググループを組織して法人独自の制度を構築することをお勧めさせていただいて参りました。
以上、人事制度の構築についてご紹介をさせていただきました。
内容を私なりにまとめさせていただきますと、やはり「法人の考え方を伝える・身に着けさせる仕組み」をいかにつくるかが、定着・教育の両面でとても重要であるということになるかと思います。
考え方も、成長する速さや方向性も人それぞれです。
人材不足と言われるこの業界の中、一定の水準を保ちながら、同じ方向を向く仲間を募りそして導いていくためには、こういった仕組みづくりが必ず必要となりますので、是非、このコラムをきっかけに挑戦していただく方が少しでもいていただければと思います。
何かお困りのことがありましたら、ご遠慮なくご相談頂ければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<文責>
株式会社スターパートナーズ
垰 和宏