前回までは入職前後の採用・教育体制の構築方法についてお話しをしてきました。
今回からは、入職後の成長をうながすための教育システム、主に人事評価制度とキャリアパス制度についてお話しをさせていただきます。
まずはじめに、これらがどのような制度かについてご説明します。
人事評価制度は、職員の勤務実績などを一定期間で区切って評価し、それを賞与や昇給などの処遇に反映させるものです。
制度に位置付けられた項目ごとに評価をする場合や、設定した目標の達成度合いを評価する場合があります。
技術よりも実績が評価の中心となり、例えば「●●を新しくできるようになった(成長した)」ことや「好ましい姿勢で仕事をしていた」といったことが評価対象となります。
基本的に実績をみるため、評価は定められた期間内のみを対象とし、今回分の評価が終わったら次の期間はまっさらな状態から改めて評価します。
これに対して、法人内で必要とされる技術を身につけながらキャリアアップをしていく道筋を示しているのがキャリアパス制度です。
キャリアパス制度は別名「法人内資格制度」とも呼ばれ、その名の通り法人独自の資格を取るイメージになります。
資格を取得するのですから、もちろん勉強をし、必要な技術を身につける必要があります。
そして、それらを十分に身につけたかの判断をするために、試験をおこなったり、チェックシートを用いて技術の取得状況を評価し、一定基準を超えたらランクアップをするということになります。
人事評価制度が実績を評価するのに対し、キャリアパス制度は「●●ができる」という能力・技術を評価します。
一般的な資格と同様、基本的に上がったランクが下がることはありません。
また、ランクに応じて一定の手当などが支給される場合があります。
次回以降、これらの教育システムについてより詳しく解説していきます。