前々回より結果の出せるリハビリ提供体制について5つのポイントがあるとご説明させていただいております。
①リハビリマインドの構築(職員様、ご利用者・ご入居者様)
②測定体制構築
③フィードバック体制構築
④リハビリ・機能訓練提供体制構築
⑤効果分析体制構築
以上の5つのポイントの中で、今回は③~⑤について、ご説明してみたいと思います。
③フィードバック体制構築と⑤効果分析体制構築は、データを活用します。
これまで介護分野ではデータを活用している事業者は多くありませんでした。
③フィードバック体制では、データを使って、利用者・入居者さん個人の情報や利用者・入居者様全体の情報を客観的に伝える・お返しする体制を構築します。
具体的には、
「うちのデイサービスを利用して、3か月で歩行速度が改善しました!」
「うちのデイケアを利用して、1か月で栄養状態が改善しました!」
と、はっきりと伝えられるようなデータ管理体制を構築していくということになります。
⑤効果分析体制では、介護事業や医療分野においてもよくある、「データをとっているだけ」という状態を打開し、データから次の取り組みの仮説を立てていける体制を構築します。
例えば、
「定期的にとっているあのデータ、報告書に載せるだけで何も使っていないな」
というデータを意味のあるものに変更し、測定結果から自事業所の効果を分析できる体制を構築していくということになります。
データの利用・活用や分析の話をしてきましたが、それを行う上でもきちんと効果の出る④リハビリ・機能訓練提供体制が重要となります。
④リハビリ・機能訓練提供体制構築では、とにかく誰にでも均一に提供されている機能訓練やリハビリテーションをできる限り、利用者・入居者の状態にあったものを提供できる体制作りが重要になります。
例えば、学習塾に置き換えた場合、
高校1年生のクラスと高校3年生のクラスで同じ授業をしようとすれば、当然高校1年生クラスに合わせることになってしまい、高校3年生にとってはあまり意味のない授業になってしまいますよね?
デイサービスなどでも同様で、きちんとご利用者様の状態にあった機能訓練やリハビリテーションを提供することが重要となります。
介護サービスの質がアウトカム評価で分析されてきています。またこの流れは今後一層強く、重点化されてくるでしょう。
体制構築は一時的に、瞬時にできるものではなく、スタッフの多くを巻き込みながら、時間をかけて行っていくものです。何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
長い間、読んでいただいた皆様、誠にありがとうございました。
株式会社スターパートナーズ
博多コンサルティングチーム リーダー
理学療法士 公衆衛生学修士
松尾 厚
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