前回に引き続き、介護サービスの質の評価に向けて導入が検討されている評価尺度のうち、運動機能や活動に関するところを取り上げてみたいと思います。
リハビリ特化型のデイサービスなど、運動機能や活動に焦点を当てた介護サービスは増加の一途をたどっていますが、今回の介護報酬改定では、リハビリ特化型のデイサービスではなく、通常のデイサービスでしっかりと自立支援をしていきましょうという方向性の改正であったと思います。
自法人・自事業所の介護サービスがリハビリや自立支援の観点でどのような成果を残しているのかは今後必要とされるサービスとなるかの非常に重要な尺度です。
あなたの事業所のリハビリの質は上がっていますか?
「セラピストを雇ったから」、「機能訓練指導員を増やしたから」、質が上がっただろうという視点ではなく、提供しているサービスの質が上がったかどうかの尺度が必要とされています。
実際に通所介護で次年度から導入されるBarthel Indexを使用したADLの維持改善のアウトカム評価は、自事業所の利用者の“大半の方“が活動レベルを落とさずに過ごせているかをみられています。
これ以外の運動や活動に関する指標をまとめてみましょう。
運動機能や活動の尺度をまとめる視点は以下の2つがあります。
1.基本的動作・身体機能の測定
2.応用的動作・生活機能の測定
1.基本的動作・身体機能の測定
<歩行能力>
・障害高齢者の日常生活自立度
・Timed Up and Go test
・6分間歩行
<嚥下機能>
・反復唾液嚥下テスト(RSST)
・改訂水飲みテスト(MWST)
<栄養状態>
・BMI(身長と体重で算出)
・MNA-SF(体重の変化や食事摂取などで栄養状態を評価)
2.応用的動作・生活機能の測定
<ADL:基本的日常生活能力>
・Barthel Index
・FIM(回復期リハビリテーションで導入)
・DASC-21(認知機能と生活機能を総合的に評価)
<IADL:手段的日常生活動作能力>
・Lawton(手段的日常生活活動尺度)
・DAD(認知症のための障害評価表:アルツハイマー病に特化)
・DASC-21(認知機能と生活機能を総合的に評価)
などが挙げられていますが、最も重要な視点は
・高齢者全般の運動機能・生活機能を測定できる
・介護現場で測定の労力が少ない(またはすでにデータを収集している)
・どんな職種でも測定できる
といった点が重要でしょう。
質の評価が本格導入されるであろう平成33年度に向け、利用者・入居者の運動・生活機能がわかる仕組みの構築をしておくことが重要となります。
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