介護サービスの分野でアウトカムが導入されると同時に行われるのが、どのような利用者が利用しているかの調査です。
実際に次年度から導入されるBarthel Indexを使用したADLの維持改善のアウトカム評価は、どのような利用者が利用しているかを調整しないと不公平性が高まります。
公平性の確保のため、例えば要介護度などの指標を用いて、ある程度利用者の“属性”を調整します。
今回は「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」にて検討されている“認知機能”に関する尺度を解説します。
認知症は今後罹患率の増加が確実視されている非常に社会的にも重要な疾患であり、介護サービスが対応することを求められている疾患です。これらの尺度は、アウトカム評価の指標として検討されると同時に、利用者の属性情報を調査する上でも今後使用される可能性があるものになります。
認知症の尺度をまとめる視点は以下の2つがあります。
1.認知症の有無
2.認知機能の程度
1.認知症の有無
・医師による認知症の診断(診断名の有無)など
2.認知機能の程度
・認知症高齢者の日常生活自立度
・長谷川式認知機能検査(HDS-R)
・ミニメンタルステート検査(MMSE)
・FAST(Functional Assessment Staging)
・CDR(臨床認知症評価法)
・DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)
・ADAS(神経心理学的検査)
・WAIS-Ⅲ(ウェクスラー成人知能検査)
などが挙げられていますが、
最も重要な視点は
・高齢者全般の認知機能を測定できる
・介護現場で測定の労力が少ない
・どんな職種でも測定できる
といった点が重要でしょう。
質の評価が本格導入されるであろう平成33年度に向け、利用者・入居者の認知機能がわかる仕組みの構築をしておくことが重要となります。
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