2.台湾の福祉機器①
==ポイント========================
・台湾最大級の福祉機器展、Sen care2017
・体組成計で利用者の状況を一元管理
・自由な発想のもと、製品開発がされている
==============================
前回は、「台湾・台北における介護・教育・福祉機器展視察ツアー」編の第1回目、台湾の介護事情についてお伝えしました。
今回は、視察でまず初めに訪れた「Sen care2017」で見たICT機器についてお話します。
まずSen care2017とは、台湾最大級の福祉機器展です。
台北101のすぐ近く、各種展示会の行われている世界貿易中心にて開催されていました。
この展示会は年に一回4日間開かれており、1~2日目はB to B、3~4日目はB to Cとすみ分けされています。
今回の視察日程が4日目であったので、参加者は一般の方であり、車いすや杖を使用した方も多くいらっしゃいました。
また、展示会自体の規模は日本でおこなわれているものの1/4程度であり、車椅子や歩行器等の福祉用具は日本でも広く使われている形態のものも多く、日本の福祉機器展のものと似たような印象でした。生活機器やレクリエーションプログラムの分野で出展している日本企業も見られました。
その中で特に目を引いた福祉機器①は、体組成計(たいそせいけい)です。
体組成計とは、体脂肪や筋肉量、骨量など人間の体の組成を計測するための機器です。
簡便に栄養状態やリハビリテーションの効果を見る指標として重宝されている体組成計は、日本でも徐々に導入する介護施設が増えてきています。
この体組成計のデータを利用者の個人情報と連動させる動きがみられました。
それ以外のバイタルサインの情報(血圧や体温など)も機械で人を介さずに測定し、記録まで完結する機器もいくつか紹介されていました。
すべてのこのような機器では一つのIDで利用者情報を管理しており、この一元管理により、データの分析やフィードバックがすぐに行える状況となっていました。
これによって、時間短縮や人件費の削減が実現できます。
介護保険開始間近と言われる台湾ではありますが、現状としては日本の介護保険請求に該当する複雑な請求システムは存在しません。決まった制度が存在しない中で、自由な発想のもと製品開発が進められているという印象を受けました。
次回は、Sen care2017でみた福祉機器②、リハビリテーション機器についてご紹介します。