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・タイで日本人対象のロングステイ事業から開始
・現地の中流階級へ現地スタッフによる訪問介護サービスを展開
・中国でも2つの施設を展開
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今回から2回にわたって、日本式介護・高齢者ケアのアジアへの進出事例をご紹介していきます。
まずは、日本式介護事業の海外進出におけるパイオニアで、タイや中国で介護事業および介護職養成事業を展開しているA社の事例を紹介します。
A社では、2001年にタイでのリサーチを開始しました。
その後、要介護の日本人がバンコクのサービスアパートで日本式の介護サービスを受けられるケア付きのロングステイ事業の提供を開始しました。
2003年には現地の中流階級以上の高齢者をターゲットにした、日本式介護の教育を受けたタイの看護助手による訪問介護等のサービスを開始。
人材確保が追い付かないほどニーズも高まり、海外進出の1つの成功モデルとなっています。
2016年にはバンコク市内に住む現地高齢者を対象にした介護施設も開設しています。
中国への進出にも積極的で、北京に10床の小規模多機能施設「礼愛老年介護服務中心」を開設。
その位置づけは、日本式介護のショールーム、マーケティング拠点、情報収集と発信、介護職養成のOJTの場です。
北京新地域密着モデル施設にも認定され、中国全土から多くの視察を受け入れているまでに成長しています。
さらに、2013年には上海に「上海礼愛頣養院」を開設。この施設は中国の大手企業との合併会社と共同運営している終身型大規模施設です。
これら中国で展開している2つの事業所は中国政府からも高く評価され、政府の補助金も取得しています。
次回は、A社の海外進出が日本国内の事業にもたらしている影響と、ミャンマーへの進出事例をご紹介します。