==ポイント==================
・日本式サービスの優位性は、リハビリ・認知症ケア・接遇
・医療と介護を分化したシステムも日本ならでは
・日本のきめ細やかなマーケティング戦略はアジアでも応用可
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前回までは、海外進出の7つのステップについてお伝えしてきました。
今回からは、日本式介護・高齢者ケアビジネスの優位性についてお話してまいります。
日本式サービスの優位性は、「リハビリテーション」「認知症ケア」「接遇サービス」の3点が挙げられます。
台湾で「寝たきり」とされる高齢者の半数は、リハビリテーションを受けることで、家族の介護があれば在宅で生活できると見られています。
日本では、寝たきりを防ぐために高齢者ができる限り余生を送れるよう、リハビリテーションが進みました。
また日本では、身体拘束をせず「高齢者の尊厳を守るケア」として介護が成熟していきたことも、世界的に高く評価されています。
世界的に症例数が増加傾向にある認知症ケアにおいても、日本は先進国として重度認知症対応のノウハウを培ってきました。
同様に接遇サービスにおいても、「口から食べさせる」「湯船に入れる」「家族の話をよく聞く」といった点を重視したケアは、世界においても類を見ない日本式ケアの特徴です。
日本には、医療と介護を分化した制度・システムがあります。
この点も世界に対しての優位性があるのではないでしょうか。
介護に特化した育成プログラムを修了した資格取得者がケアサービスを提供することで、雇用機会の増大にもつながっています。
その他、日本の介護事業者は高齢者の多様なニーズにマッチしたサービスおよび製品開発を行うことで、マーケットを成熟させてきました。
こうしたきめ細やかなマーケティング戦略は、アジア諸国への進出においても応用できるのではないでしょうか。
次回は、高齢者ケアビジネスを取り巻くアジア諸国の特徴についてお伝えします。