==ポイント==================
・外国人労働者の特徴を共に働きながら理解する
・まずはコンサルティングや教育事業からスタート
・現地採用スタッフに日本での研修の機会を与える
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第6回で、海外市場に事業展開していくには「海外進出の7つのステップ」を踏むことが有効であるとお伝えしました。
それでは、各ステップを詳細に見ていきましょう。
ステップ1は、日本に在住している外国人人材の採用です。
現在、日本国内の介護事業所で働いている人材のほとんどは日本人です。
そのため、将来的に外国人を雇用することを検討している場合、まずは外国人労働者の特徴や、そのマネジメント方法を一緒に働きながら理解していくことが重要になります。
その際は、将来的に事業の展開を考えられる施設や、国、また政策的に人の移動が可能になりそうな地域を選ぶことがポイントです。
最近では、中国、フィリピン、ベトナムなどの出身者を雇用している事業所が多く見受けられます。
ステップ2は、海外での拠点の開設です。
いきなり施設を開設するのは、リスクがとても高くなります。
また、中国では合弁会社ではないと介護事業ができないというように、各国独自の制約もあります。
そこで、まずは介護事業のコンサルティングや介護士の教育事業として、事業所を開設するのがよいのではないかと考えられます。
海外に事業所を構えると、最初に来る依頼はほとんどが「ニーズ調査」です。
中国やタイに進出している企業は、こうしたニーズの調査を受託していて、かなりの先行者メリットを得られていると思われます。
現在、アジア諸国では日本式介護を展開する日本企業はほとんどないため、まずはすでに進出しているところに相談してみようとなります。
日本国内からアジアに進出を希望する事業者の情報と、海外で日本のサービスを取り入れたい事業所の情報が一極集中で集まるので、低リスクで情報が収集できるのは、かなりの先行者メリットと言えるでしょう。
ステップ3は、現地の人材の採用です。
現地の事務所で、現地の人材を採用し研修をします。
また、海外研修として日本の施設で働いてもらい、日本式介護や高齢者ケアを学ぶ機会を作ってもよいでしょう。
ステップ1で採用した外国人が出身国やその他海外の拠点で研修を受けられるようにするなど、相互交流があるとなおよいと思われます。
次回はステップ4以降をお伝えします。